babillion’s blog

地球村人です。プロの翻訳者ではないが、趣味で文章を翻訳したり、気ままに感想文を書いたりします。コメント大歓迎です。よろしくお願い致します。

中国の暖房事情?エコ?に関する雑談

中国の暖房事情?エコ?に関する雑談
数年前、タクシーに乗ってた時、運転手から持ちかけてきた一つの話題がずっと覚えていました。
その話をする前に「供暖」という言葉の意味を説明しておきます。
中国の北部地方では、冬が寒いため、都市電気やガスみたいな公共設備の一つとして、冬の間のみ、地域ごとに集中したボイラー室から、各建物に配管を通して熱湯を供給することが「供暖」と言います。熱湯は配管を通して、各家庭の各部屋にある放熱器に循環して、熱で空気を温めて、部屋の温度を上げるものです。放熱器を通ったお湯は温度が下がるので、また配管を通してボイラー室に戻って、もう一度加熱される、という循環です。

本題に戻ります。
タクシー運転手「最近供暖の基準が16度から18度に上がったって話ご存じでしょう?」
私「ああ、しっていますよ」
タクシー運転手「あれはよくないことですね。温度を上げると、エネルギーの消耗が多くなり、石炭や石油資源がますますたくさん使われて、無駄が多くなるじゃないですか」
運転手は私より何歳か年上に見えるが、同じく70年代の生まれだろう。その年代の人なら、今の時代より、ずっと質素な生活を体験してきた世代であるため、時代の変化、生活の変化に疑問を持つのも不思議ではないが、今まで運転手という職業の人からエコ意識関連する話題が持ちかけられたことは一度もなく、珍しかった。
自分も質素の生活を賛同するつもりですが、運転手の言うことには賛同できず、思わず反論した。
私「しかし、室温16度だと、家の中でもまだまだかなり寒く、厚着しないといけなくなります。子供や年寄りもいることだし、それでは気持ちよく生活ができませんよ。皆の努力や社会の発展、いろんなことが変わってきて、豊になって、その意味は基本気持ちよく生活するためのものだと思います。本来人体に優しい気温は20度以上のはずだから、18度ぐらいにアップするのは無駄ではありませんよ。24度26度ぐらいにするとかという話だったら、無駄な部分も出てくるという話なら分かりますが」
反論したものの、運転手さんの考え方にとても貴重なものもありました。自分の生活は自分ひとりだけのものではなく、たくさんの人が集まって形成する大きな社会の一部でもあります。生きることは、食料、物、エネルギーを消耗し、廃棄物を出します。16度に拘る必要はなかったかもしれませんが、時には、不便や気持ちよくない状況にも「我慢」や「頑張って耐える」ことが必要があります。
この件でもう一つ心残りがあって、それは運転手に反論する前に、「あなたは自分の考えがちゃんとある人ですね」と一言言えばよかった。

最近、「中国のCO2排出量、2060年までに実質ゼロに」というニュースを見て、上記出来事を思い出した。国レベルの大きなことには門外漢なので、議論するつもりはありませんが、ニュースリンクを張っておきます。興味のある方はどうぞ。

 

習近平中国国家主席、国連総会で「2060年までにCO2排出量実質ゼロ実現を目指す」と表明。新型コロナ感染からの「グリーンリカバリー」推進も宣言(RIEF) | 一般社団法人環境金融研究機構

 

————————
カクヨムにて、中国長編架空歴史小説『孺子帝』の日本語版翻訳絶賛公開中
中国の小説を日本語に翻訳したものですので、日本語的に至らないところがいろいろあると思います。ご指摘やご応援いただければ大変感謝です。よろしくお願いします。
『孺子帝』のリンク先
https://kakuyomu.jp/works/1177354054918841796